電車は宝の山

先日、仕事帰りの電車で本を読んでいると、なにか違和感を感じてチラッと前を見ると座っているのは70代くらいの小さなおじさん。

服装は普通だし、挙動不審なわけでもないしなと、また本に目を落とすけれどやっぱりなにか気になる。気づかれないようにもう一度チラッと見てみると。

わかりました。

すごく個性的な帽子を被っているんです。折り紙で作ったパンダの顔が帽子の真正面に貼ってあるんです。

簡単な折り紙で遊ぼうより画像をお借りしました。

長年愛用されている感じのある濃紺の帽子の中央に、うすい水色の折り紙で作ったパンダの顔が貼ってる。こうなると私の妄想が止まらない。

パンダはきっとお孫さんが折ってプレゼントをしたんだろうな、おじさんは嬉しくてしまっておくのはもったいないし、みんなに自慢したい気持ちもあって帽子に貼ったら、大好きなおじいちゃんが気に入ってくれたという気持ちがお孫さんはすごく喜んだんだろうな。

なんて勝手に妄想を膨らましたら、もう微笑ましくて、微笑ましくて。

こんなに興味深い出来事に誰も気がついていないのかと、キョロキョロと見渡すと周りの人はみんなスマホをいじっていてパンダの存在に誰も気がついていないんです。

停車駅で人が入れ替わるけれど気がついていそうな人はいない。なんてもったいない。

本を読むけど文字はただの羅列になってしなって内容がちっとも入ってこない。それなら、このおじさんとの出会を心の刻もうと本をしまって、おじさんの後ろの景色をぼーっと見ている私を演じて、思う存分視界にはいってくる設定が完了。

小さなおじさんは少し前のめり気味に、膝に手を乗せて、すました顔で吊広告にジッと目をやっているんですが、パンダは真正面に座っている私の顔をジッと見つめていました。

次の日、人間ウォッチング好きなスタッフ この話をすると「電車の中は面白い事だらけなのに。そんな面白い事に気がつかないなんて、みんな本当にもったいないよね」と共感できてスッキリ。

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